平成生まれのマクレーン

映画レビューを中心にぼちぼち綴ります。絵もペイントで適当に描いてます。

「ファーザー」をみた

ども、こんばんは

マクレーンです

会えない時のために・・・

グッドアフタヌーン

グッドイブニング

グンナイト

てなわけで映画レビューです

二本続けてのアップです

今日までに見た映画のレビューをべつのところにレビューつづってためてました

今回の作品はこれ

ファーザー

名優アンソニーホプキンス主演です

いやぁ面白かったですね
ホプキンスの演技に驚嘆しました
そしてそれと同等にアン役のオリヴィアコールマンの演技にも拍手です
彼女の切ない表情が胸に来ました
主人公は言葉で表現することがすくないので、表情であそこまでするとはレクター博士すごいです

もちAmazonプライムビデオですよ


以下ネタバレ注意です

それではレビュー、いっぴかいえー

 

 

 

 

サスペンス調で、アンソニーホプキンス扮する主人公の認知症症状を鑑賞者も体験することになります
老いを扱った映画はこれまでもあると思いますが、視点は老いた人の家族のものを描いたものが多いのではないか?
しかし、本作は、認知症の主人公の認識をそのまま映像にしてます
娘役だった女優が突然変わったり、見知らぬ男性が家にいたり
同じ場面を繰り返したり、他人の話すことが、前後で矛盾していたり
これは、記憶が混同してるんです
時系列がシャッフルされてるですよね
見せ方的に言えばノーランメメントダンケルクといった具合です
そのシャッフルが頭の中で起きているってのを現実的に映像で表現してます

記憶がシャッフルされてるということは、逆に言えば、シャッフルされた記憶は既に蓄積されたものということ(予知能力が出てくるようなSFものではないので)
すなわち、それは過去に起こったことの記憶ということ
なので、本作は、主人公が最後のシーンに出てきた施設に既に入った状態で、それまでの過程を思い返している映画だと思います

 

 

 

 

 

サスペンス調なのでそのへんの見せ方も面白かったですね
安易に「面白い」という単語を使うのも少し気が引ける内容ですが

 

老い、認知症、介護
ものすごく重く、暗く、そして現実的な悲劇ですね
誰もが担う可能性を孕んでる
あちしも仕事柄、認知症であろう人と話すことはありますが、
何かを誰かに盗まれたとか、知らない人間が家にいるって話はわりとよく聞くんですよね
多くの人に同じような症状が現れるということは人間の脳に共通した要因があるんですかね
そのような話も出てきたので、本作は認知症の人の話をもとに作ってるんですかね?
当事者の視点で映像化することで、なるほどな、と思うところは多かった
体験してる本人からしたら、そら不安になりますわ

 

最終的に、主人公が、ママと口にしたことは
母親と子供の生物学的な繋がりの強さを感じました
母子というのは、他の繋がりにはないもっとも強い依存と信頼で繋がっているのかもしれないと

 

 

 

主人公は何度も自分の腕時計を探します
あれがないと時間が分からない
映画の最期に、
腕時計を見て旅立つ時間を確認しなければ
みたいなこと言うんです
旅立つってのは、おそらく死を意味してんじゃないかな
記憶が混同する中でも、そこをきちんと認識しているのは、少し救いのように感じました

 

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あちしが朝、電車で出勤中
同じ車両に乗った中年男性が自分の母親の介護の話をしてました
横耳で聞いていて、ものすごくシビアで暗いと感じ、どんよりしました

しかし、本作はそのようなどんよりを感じませんでした
主人公や家族はとても大変そうで切なく感じはしましたが、本作特有の認知症の映像表現により、暗くどんよりよりも新鮮さが勝っていました
このように見えるのかと驚くほうが勝ったんです

だから、本作は認知症を暗いものと位置付けるよりも前に、新しい感覚として認識するための第一歩となるのかも知れませんね

 

そういえば
主人公の名前がアンソニーって役者と同じ名前ってのも意味深ですよね

いやぁアンソニーホプキンス偉大です
ハンニバル羊たちの沈黙見返そうかな